紙バンド手芸って何?
~ザックリ簡単に言うと~
紙バンド手芸とは、クラフト紙やカラークラフト紙で作られた紙糸を(手芸用では12本が一般的)並べ、ポバール糊などで接着して作られた紙バンドを使い、様々な物を手づくりする手芸の事です。
カゴやバック・小物作りが人気で、優しい紙材料と身近な道具で本格的な作品が出来上がります。 色や作り方を変える事で、カテゴリーを越えた作品が出来るのが紙バンド手芸の魅力です。紙バンドで作られたカゴやバッグは紙とは思えない完成度と強さです。
~どんな作品が出来るの?~
紙バンド手芸は気軽に始められ、作り手さんの好みで仕上げる事が出来ます。しかも完成度の高い作品が出来ます。編んで作る形式のものであればほとんど紙バンドで作れます。また一部兎屋のフリーレシピがPDFファイル形式でダウンロード出来るようになっていますのでお試しになってください。
~どんな道具が必要なの?~
「はさみ」「木工用ボンド」「洗濯ばさみ」は基本的な道具です。また梱包用のPPバンドも使います。これは紙バンドを割く時に便利です。仕上げは水性ニスを塗りますが、油性でもOKです。道具についての詳しい説明はここをクリックしてください。
紙バンド手芸で使用する道具の説明ページへはここをクリックして下さい。
道具説明のチラシをpdf形式でダウンロード出来ます。 講習会や教室でご利用下さい。こちらをクリックするとダウンロード出来ます。
~ちょっと詳しい紙バンドの話~
紙バンドとは梱包材料として昭和27~28年代(1950年代)に誕生した材料です。テープ状の紙を撚って並べ、糊で固めて紙バンドにすると言う、いかにも日本人的な発想で考えられた紙バンドです。残念な事に本来の梱包材料としての役目は早々とPPバンドに切り替わっています。現在では主に、米麦袋(開口部の縛りひも)や工業用(製紙マシンの部品として)として利用されています。と言っても工業用(製紙マシン用)などを目にすることはないでしょう。米麦袋用としては8本糸バンドが主流ですが5kg入りなどの小袋用に5本糸バンドもあります。紙バンドの 幅や構成する糸の本数はその用途により様々です。
~紙バンドに使用される「紙」は再生紙?~
紙バンドは紙バンドに適した「紙」から作られています。適したとは「紙バンド加工に適した」という事です。これは紙の抄き方の事で、再生紙とはなんの関わりもない話です。
紙バンド手芸の広がりと共に、紙バンドは国産原料100%を使った再生紙で作られているという話が広まっていますが要注意です。「国産原料」「再生紙」「再生パルプ」「100%」と聞けば耳に心地よく、紙バンドは古紙100%で作られているような気がしますが、カラー紙バンドについては違います。但し、クラフト紙バンドは古紙を使っている場面が多いはずです。一般の方は「再生紙100%の製品です」と聞けば、100%古紙で作られていると思うでしょうね。
再生紙とは便利な言葉です。しかし人気のカラー紙バンドは古紙流通事情等により、古紙が使われる事は無く100%バージンパルプで作られています。つまり古紙は入ってないという事です。もし紙製品で再生紙使用を謳うのであれば、製紙会社さんから情報を出して貰い、再生紙率(%)の表記が必要です。その場合、再生紙100%と古紙100%の意味の違いは明らかにして置かなくてはならないと思います。
さて、その「紙」をテープにし、糸状に撚り、糸を並べたものを糊で固め、ドライヤーロールに巻きながら乾燥して紙バンドが出来ます。紙バンドに使用する「糊」は ポバール糊と呼ばれているもので、糊としては基本的なものです。ポバール糊は切手裏の糊にも使われていて安全です。
~紙バンド手芸としてはいつ頃から?~
紙バンドが梱包材として昭和27~28年頃(1950年代)に誕生した時から、余った紙バンドを使っていろいろ編まれていたようです。手先の器用な日本人は紙バンドを使って昔ながらの編み方でカゴやバックを作っていました。ワラやツルでカゴを編んでいたのと同じ感覚だったと思われます。数十年前の日本では当たり前の風景だったのでしょう。そのうち紙バンドという材料の良さが認められ手芸として広まったようです。 ※1:1960年代には愛媛県四国中央市(愛媛県:旧川之江市)で今と同じようなカラー紙バンドやストライプ紙バンドが水引代用品や手芸用として作られ販売されていました。手芸用としては九州や東北方面で数年程流行していたそうです。
※1:昭和40年代に数年間だけブームになった時期もありましたがその後すたれ、現在皆さんが楽しまれている紙バンド手芸は1990年代後半からの流れとなっています。
このページの記事は2005年頃に書いた記事です。それから18年以上経た今、紙バンド手芸は広く浸透しています。